NKND/瀬崎 虎彦
 
猫なで声で獣
あわてて走り出すうてな
月読みで野原
さざめく葉ずれの音

清浄と月
見境なく神話
地面が繋がる限り
物語は途切れず

細かな螺旋行
君の耳元まで
石ころを蹴りながら

緩やかな逃避行
もう詩なんてたくさんだと
もう詩なんて無力なのだと
戻る   Point(1)