だいじょぶだぁ教団の夢 /服部 剛
 
池袋駅の便所に入ったら 
便器の隅に 
「抗菌」シールが貼られていた 
きれい事では語れない 
生身の人間ではありますが 
魂だけは「抗菌」の 
シールをぺたりと貼っています 
もしも「抗菌」魂が 
僕の背中にうっすら 
ぴかりと見えたなら 
多くの人を巻き添えに? 
一緒に歩いてゆくでしょう 
( わたくしの理想はまことに 
  某バカ殿様の 
  だいじょぶだぁ教団の 
  あの長い長い行列である・・・ ) 
そんな絵空事を 
ま顔でイメージしながら 
蒸し暑い地下道の 
階段を上がった僕は 
無数の人の頭の揺れる 
池袋の濁流に、紛れていった 
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