流星シンドローム/佐藤真夏
星が死んでゆくとき
個人が来て
、なぜ言うのかしら
欲しい欲しいください
して欲しいください
して
大人の真っ只中で純水を流そうと
躍起になって泣けば
汗ばむ肌はいよいよおかしくなって
ぴりりとした切なさを帯びたまま
内側に放つ冷気が心細い
愛して
何が欲しくてサンダルを擦るのでしょう
屋上は低体温
呼吸を確かめながら吐く煙が
高く昇ってゆく先に人の願いが詰まっている
花火が開いて
虫が落ちた
叶えて
(欲しい)
なま暖かいひとつの夜
宇宙船で逃げてしまいたい夏
額に宝石を撃ち込むこともできず
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