芋剥き/ふたば
 
をナイフで薄くそぐ、黙って
ときどき花火と歓声が聞こえてくる
ぼくの剥いた芋でみんなが
パーティーをしてるんだと嬉しくなった
きみへの手紙にも書いたっけ
けれどもあれは鉄砲の音だと
フィリップさんがこの前教えてくれた
ぼくの乗ってる大きな船
どこかの国との近年稀な
おおきな戦争をしたんだってさ

剥いた芋を積み重ねて置く部屋の
隣りに死体がいくつも積み重なってたっけ
そういえば、ぼくは初めて
そこで女のからだを見ましたよ
剥きたての芋みたいに真っ白だった
すごい秘密を抱えた気分
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