地底刑務所の生活/きゃとる
雲一つ無い晴天は私の心を曇らせる。
余りにも清清しい青は、私に逃げ道を与えることなく迫り来るからだ。
今朝はそんな空の下、いつものように高い塀に囲まれながら朝礼をした。
一日のうち外に出るのはこの時のみで、朝礼と二、三の仕事が終ると看守たちに監視されながら、一人ひとり高速列車に乗りこみ、地中トンネルを通って瞬時に地球の中心部へ移動させられるのだ。
マグマに程近いその場所では、発電の為の単純労働をこなすのが私の日課であり、刑務である。否、それはここにいる全ての人間にとっての今日であり明日であり、死ぬまで変わらぬ日々なのだった。
ここのところは看守たちの怒声にも何も
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