夢の中の手紙/
フクスケ
初夏の木陰に
風が吹き込む
塗装の剥げたベンチで
短い手紙を読んでいたら
知らず内に
夢の中で
手紙の続きを読んでいた
さっきまでは
Αからのつもりだったのに
今は
誰からの手紙だか
分からない
短いはずなのに
結語にたどり着けない
無意味に循環する
夢の手紙の結語を
いつか書いてやろうと
夢の中で
悪あがきする
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