「名」馬列伝(6) メジロモンスニー/角田寿星
栗毛の大柄な馬体だった。
重戦車のような差し脚で、一完歩づつ確実に、最後の直線を追い込んでいった。
無骨で不器用な、愚直とも言える追い込みで、稀代のスターホース、ミスターシービーに戦いを挑んでいった。
彼のこの戦法は、一朝一夕で培われたものではない。
ある騎手の「脚決め」と俗に言われる、職人芸により確立されたものだった。
デビューから7戦(3勝)は、別の騎手が乗って、先行または中段からの差し。
もっとも使われていたのがダートの短距離、次いで芝1400だったので、仕方のないところではある。
騎手に乗り替わった初戦のシンザン記念は、後方からのまくりで勝った。
これが「脚決め」の第一
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