ブルーノートにて/チャオ
 
トリオがやってきた。

右側から、変態的な轟音ドラムが変拍子のリズムを作り出すと、左側から暴力的で、かつ美しい旋律を奏でるピアノが入る。そして、二つの交わることのなかった個性を、控えめかつ、主張的なベースが中央から、音楽を作り上げた。

気がつけば、ドラムへ、気がつけば、ピアノへ、気がつけばベースへ。僕の耳は全体像を捕らえながらも、それらがあまりにもスケールが大きいことを主張するように、けっして、すべてを包括できずにいた。

演奏する三人は、互いに変化する音を、確かめることもないようにそれぞれの音を投げ出していく。それが僕の耳下へ届くと、音楽出来上がって、言葉も、景色も、感触も、すべて
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