硝子/
ジャイコ
とうめいになりたいとねがった。
かぎりなく、ゼロに近いとうめい。
たとえば、試験管の底みたいな。
たとえば、暗闇に光る街灯のオレンジみたいな。
たとえば、雨上がりの森みたいな。
たとえば、夕焼け空に浮かぶ雲みたいな。
あなたのそばにいたくて。
とうめいになりたいとねがった。
あたしのことをみとめてほしくて。
とうめいになれないじぶんをにくんだ。
もう、きたいしないでよ。
それでも
にごったわたしは、きょうもとうめいになりたいとおもう。
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