疲弊/高杉芹香
 
摩り減って 
やっとの思いで歩く。 
二十三時前 
まだスーパーが開いていて、 
明日のお味噌汁の具材を買った。 
住み慣れたこの街も 
色んな思いで生きた。 
このニ年。 
想わない日はあっただろうか。 
話せばみじめになるので 
親友に話すのも少し億劫になっているあたし、最近。 
電話が来たんだ、とか 
メールが来たんだ、とか 
誰に何をしてもらって嬉しい、だとか 
抱きしめられてたのはいつでも自分だけだったんだ、とか 
ほんと、もう 
煩わしいことだと思う。 
勝手に信じて 
人のことばを鵜呑みにする
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