待ち合わせ/EnoGu
 
中をポカポカポカポカポカポカポカ叩いてくれていたからなのだとにかく突然目の裏にパアッと白い光が差し込んで我に返るとうつ伏せの鼻先一面に散らばったガラスの破片のなかにあの太陽がキラキラ澄まして照り映えていたというわけなんです。


港のそばの雑居ビルの屋上。ちらほらとネオンの灯りだした繁華街。そのギザギザしたシルエットに吸いこまれて行く茜色の夕焼けを指差しながら俺はシマウマの洋子ちゃんに必死の説明を試みたのだ。一方の彼女はといえばお土産の干草に夢中で、俺はそんな彼女の縞々の脇腹のうえに夏の夜風のたなびきにも似た永遠の愛を感じ始めていた。

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