ノートの端の落書き/こめ
 
僅かに感じる視線に

蛇に睨まれた蛙のように

小さ角においやられていった

繋いでいた手は

急に離されまた掴もうとしたけれど

追い付くことはできなかった

人は誰でも大きな夢を語るものだが

其ほど愚かなものはないだろう

深海の魚に空の素晴らしさを

問いただしても

帰ってくる返事は分かりきったものだった

個性を超越したのならば

それはもうひとりの僕

イライラする

これはカルシウム不足のせいなのか

それともこの煩い小蝿の囁きなのか

どちらにせよ目障りなのは確定している

枕の扉を開けたらそこは夢の中

あくのまじんやかせいじんなど

色々な人が騒いでいたが

頬をつねれば扉からおいだされてしまった

嗚呼信じたい

僕だけが特別な存在だと

そのエクスカリバーを抜けるのは

僕だけだと

その現実には有り得ない風景を

鉛筆でノートの端の方に

描いていた


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