「名」馬列伝(5) ドルフィンボーイ/角田寿星
 
どこにすっ飛んでいくか判らないような気っぷのいい逃げが、彼の持ち味だった。
気性難と慢性の蹄の疾患のため、デビューは2歳の冬だった。3歳クラシックには何とか間に合い、羽田盃14着、東京ダービーは落鉄もあって10着と逃げつぶれたが、それもまた彼の持ち味だった。信用はなかったが、人気はあった。

脚元がパンとして、3歳の秋にようやく彼本来の力を発揮した。戸塚記念では太め残りながら、東京ダービー馬カネショウゴールドと、7戦7勝の上がり馬アマゾンオペラを完封。
続く東京王冠賞では、やはりハナを奪われることなく、アマゾンオペラと、世代ナンバー1の呼び声も高かった羽田盃馬スペクタクルを、それぞれ
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