生きてみた/
瀬崎 虎彦
空に そして風に
ひとり仲間はずれになった人のうた
掌に そして髪に
愛されなかった人のうた こぼれる
ゆるやかな夜のカーブ
時間をするするとほどく
リボンのように
冷たく光る夜のカーブ
友が去り 親も死に
そのまま独りぼっちになって
僕は生きている
時が過ぎ 目も見えず
小さくちぢこまって
僕は生きていく
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