跣/ジャイコ
ビニール袋の柔らかさに
頬を染めた私は
君と手を繋いだまま
6月の冷たい雨に嫉妬した
鬱屈した気分を
なんとかしたくて
床下の君を
掘り起こしてみたけれど
既に冷たくなった
微笑みは
もう私には安らぎを
与えてはくれなくて
蛙が潰れる音が
真夜中に反射しています
まだ太陽は
頭上遥か上で
まだ水溜まりは
満タンになってはいないのに
あたしは靴を脱ぎ捨てて
嵩を増した水の中へと
そろり、そろり、
ぬかるんだ君の眼は
あたしの指先を
受け入れることは
ないのでしょうね
灰は
3日は止まないでしょう
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