世界のレコーダー/フミタケ
 
木漏れ日でさえ怪しい
都市公園の上昇気流
ふとした事で命までこぼれ落ちそうな
緑色の揺らぎに憩う
休日の人
光はまっすぐ反射を繰り返し
曲線を描く
もうちょっと明日から僕は
ちゃんと生きようと思います
おざなりな事ばかり言う
部屋の中はいつだって
腐りかけの匂いがしてるから
出かけるばかりの僕をアクティブだなんて
お笑いだ
時折吹き込む空気の匂いが
やがて哀しい記憶になっていく
大人になるまでに
めぐってくるその夜の匂い
に気付かないふりをする僕を
あの娘は悲しむけど
そんな人がいてくれることは
哀しい事じゃない
哀しみと哀しくない事が
風邪薬の小瓶を
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