亡命者/こしごえ
私は現在。
湾刀の先で風を切る一隻の、ゴメ
一隻の ゴメだ
これは帰れないみちのりであって
忘れていることなど何もない、道
ここに道があるからあるいて行く
あそこにはたどり着けないとしても
引き返すことは出来ない
青果へと歩むのは
いつか切られた風の声音
それが 続いていく
空を高く高く ??として
光のとどかないむねの深奥に
しきつめた花の化石製石だたみの道で
目を凝らし果ものをむく小刀が反射する
焦点に囚われず 重い水底を見つめよ
と聞くゴメの視線はひっそりとはるか遠く
おもいでがみちてささやく血を宿している
私は現在。
亡命の途につき
融合する水平線
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