あの頃の/蒼木りん
 
るものは無く
僭越ながら 
自分が書くものの元のところに
この詩たちが作用ていると思う 

二十五年前
教室で詩を読みながら 光景を見ていた

そこから戻ってくると
未来に 私はどんな大人の女になるだろうか
という想像をしていたことを 思い出した

写るのは
本棚の横にあった 乾いたコンクリートの水道場

「こんな大人になり、詩のようなものを書いています。」と
云えることは 言えるが
ペンネームが「平木 なおり」というのは 
ボツにした




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