奇妙なコード進行/こめ
 
再会と別れが出会う街で

すれちがう人は他人ではなかった

魂が抜けたように

それでも旗をふり続ける

工事現場の機械人形

それもたまにはいいけれど

縮んだ雪だるまになど

断片的な仲裁しかできることはない

瓦礫のしたから飛び出した

新しい生物に拍手を送る

アンケートをとって

そのナンバーワンを

はいひーるの踵で踏みにじる

何度も羽根がなくても

東京タワーの天辺から飛び出した

それは己の力を信じていたかったら

グランドの真ん中で転がる

哀愁ただようサッカーボールに

歪みの手足をもれなくプレゼント

ガミガミ煩い赤鬼には

ヘソの腐ったゴマでも挙げれば

ほいほいついてきやがった

明るい方にとんでいる蛾は

炎の誘惑に負けて

灼熱の中に身を投げていた

辛いのはそこに多数決があるから

たからばこの中にはいつまでたっても

奇妙なコード進行の曲がながれていた


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