孤独な感受性/佐藤
 

〜言葉なきイメージから湧き上がる芸術的言語〜



■境界に立ち竦む ということ

 常々、『物事の境界に立ち竦む』必要と、その重要性を感じてきた。
 その境界とは、善と悪の境界であり、決断と思案の境界であり、白と黒の境界であり、夢と現実の境界であり、主観と客観の境界であり、相対的評価と絶対的評価の並行的な把握であり、犯人と被害者の境界であり、同情と怒りと悲しみと苦しみ、さまざまな感情と責任の同居である。これらは、「結果」ではなく、その「過程」を重要視していく姿勢である。
 物事は全て流動的である。生と死のように、始まりがあり、終わりがある。流れる川のように、脈々と続
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