ウスケベ・ゲーハー/
じゅらいち
ウェールズの
とある田舎駅で
列車から降りた
山羊の大きな看板
黒かった
空は夕焼け
そりゃそうだよ
季節は真夏
午後十時なんだから
ウイスキーが欲しいなと
思って
赤レンガ造りの
酒屋さんに入っていった
白熱電灯の温もりは
懐かしいね
髭を生やしたお爺さん
ポケット瓶のスコッチを
買った 二十ポンドだった
東京に帰りたい
旅籠に泊まり
スコッチを飲み干し
窓から見える
広大な芝生の丘の景色で
ぼくの眼は殺られた
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