理想郷の余韻/智鶴
 
君が生きていることを嘆きながら
霞んだ視界を憂いてみる
捉えられないよ、君の嘘は
何処にいるの?
見えなくなるよ

不器用な手つきで奏でる日々
悴む指を覚えている
空を飛べる君には聞こえないでしょう
理不尽な朝を迎える声が

もうすぐ夜が死んでいく
無実の子供たちを連れて
消えていく
生きていると喚きながら

あぁ、君はいつまで
この理想郷で幸せだと嘯くのだろう
この世界を美しく見下すのだろう

あぁ、君はいつまでも
何も知らずに無垢なままでいて
夜の色に気付かないで

夢を見ていて
暖かい世界で
戻る   Point(1)