シリアスな詩を書いてはいけない/
瀬崎 虎彦
シリアスな詩を書いてはいけない
空中に散種する植物の
いい加減さで哀しみを
伝播させてはいけない
難解な詩を書いてはいけない
ペダントリで行間を埋め尽くし
注釈が付くのを待つような
態度は理解を得られない
美しい詩を書いてはいけない
見えざる手で触れられた時に
へその下がくすぐったくなるから
詩を書くことをやめてはいけない
大仰な理由を必要とせずに
息を吸い吐くように書けばいい
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