20歳の誕生日君はよんぶんのいちおわったと言った/さわ田マヨネ
君の誕生日に大長編をあげたい
大きく包んであげたい
消化にむかわなくていい
たこの吸盤はいたみだ
きみの目がみえない
僕が丹精こめてつくった
きみどり色したまめつぶ程度のふうせんを
ぷちぷちしたやつだれだ
モグラタヌキ、耳をなくしたねこがかんでる
しかたないからきれはしにもどったゴム
を海にばら蒔いた
ひらひらと浮かんだ
いくらがんばっても
海の宝(いくら)にはなれなかった
ちかくする赤は
そうしてオレンジ色にひき戻されていく
そこで突然おならがハッピーバースデイとつぶやきはじめる
ッピーバース
ッピーバース
さきっぽなくしたコンドームはリコーダーになったろう
ここは本当に小さな世界(It's a small world)なのだろうか
世界はまるい ただひとつ
理論ではなくなぜ風がふくのかいまいちわかんない
君の表面はゆっくりとキホウをとどめる
ひふはひふでこきゅうし感じなくてはならない
大小関係なく
きみがたいしゃしたらエンドロールをあげよう
まいにちまいにちあげよう
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