面接(18)/虹村 凌
りに、誰かいる気がする。頭の中の声と、外の音が入り乱れて、何が何だかちっともわからない。気持ち悪い。頭が痛い。視界がどんどん暗くなる。
会社のオフィスに、警察から電話がかかってきた、と彼女は電話を廻された。オフィスの中で働く人間が、興味深げな視線をチラチラと送ってくる。電話を手に取り、相手の警察官から詳しい状況を聞いた。彼の家が火事になった事、彼の死体が、霊園で見つかった事、そこは数年前に死んだ恋人の墓石の前であった事、財布の中から、小さなメモの様な遺書があり、それを元に連絡したこと、確認に来て欲しい、との事等を矢継ぎ早に告げられた。よく理解できない言葉が、彼女の脳内を這いずり回った。警察官が最後に何かを言って、電話を切ったが、正直、何を言っていたか覚えていない。彼女は受話器を置いて、呟いた。
「なにそれ」
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