宇宙のボレロ/
雨を乞う
こんな真っ青な海原にも蓮は咲いた。
漕ぎ出でて掻く手に己の矮小な惑星を知る。
十年かけて迷っていたAからZの選択肢、
次の一歩なら明日にでも踏み出せそうだ。
頭上の閃光!に貫かれて見ていた、
正体不明の地平線から煌々と得る光に沿って、
想いを這わせる僕は幾億の粒子になって還るべき帰路を、
見ていた。
新しい世界に鳴る踵、乞う手に夕昏、
僕はもう失速などしない。
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