「かそけき命は鯨の背に生きる」/Leaf
貝を漁るコククジラの背
巡り辿る源流の砂壁のようだ
果てた、終には打ち上げられた骨、骨、骨
巨大で、かそけき命の塵に項垂れた、項垂れた、項垂れた
刻み続くよ、時は砂塵へと
あの鯨の大口で飲み込めばよいのに
人懐つこいなあ
瞼を伏し岩肌に触れた
柔らかく暖かつた
海水の揺り篭、揺れた鯨の背を生涯の宿とし
共生の極地に生え育つフジツボ
何ゆえに運命を共にすると誓つたのやら
背に生まれ大海を渡りいつかは地に埋まる
{引用=轟く音波
荒波と共に旅を
鯨の背に貝を
貝の腹に鯨を
我は名も無き貝と鯨
大海原を放浪
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