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石黒
刈りとられ
跳びはねてなお
夜になると猥らだった
言葉たち
摘みとってゆく六月の光は
無いようで
そこにあった
緑たちに
ろ過され
打ち砕かれた先に
また
芽吹きはじめる
雨が降り
生命がすべて
ただになるのなら
虎もまた
その縞模様に
見失われ
におい立つ痕跡と
血しぶきもまた
久しいようで
気にもとめなかった
この熱病を
深くする
息をひそめ
怯えながら老いてゆく似姿は
魚のように美しい
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