/石黒
 
刈りとられ
跳びはねてなお
夜になると猥らだった
言葉たち

摘みとってゆく六月の光は
無いようで
そこにあった
緑たちに
ろ過され
打ち砕かれた先に
また
芽吹きはじめる

雨が降り
生命がすべて
ただになるのなら
虎もまた
その縞模様に
見失われ
におい立つ痕跡と
血しぶきもまた
久しいようで
気にもとめなかった
この熱病を
深くする

息をひそめ
怯えながら老いてゆく似姿は
魚のように美しい
戻る   Point(2)