「魂の授業」/ベンジャミン
 
{引用=わかってる

魂を教えることはできない
そもそも
魂を教えることはしない

精神論で支えられる部分は
言葉から受ける印象ほど広くない

それでも
教えるというところに
ひとかけらの魂があることを

知っている

たとえば砂漠に
一本の木を植えること
一度にたくさんの木を植えても
それは順番に枯れてゆくだろう
当たり前のこと

水が足りない
はるかに広げた大地に
一本の木を支えるだけの水さえ
与えることができない

教えるとか
与えるとか

そういう言葉を口にすること自体が
僕自身を責め続けている

毎年何人かの生徒が泣く

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