懺悔/五十里 久図
罪びとです。
僕はもう帰れません。
どうしてこんな風になってしまったのか
何万回も考えたけれど、
それはやっぱり僕自身の罪によるものです。
過去知り合った人々の生活を垣間見るとき
僕はいつもこのような思いに駆られるのです。
そしてまた、こうも思います。
「僕のようにはなるな」と。
目の前の幸福から目を背け、ありもしないものを決して追い求めてはならないと。
誰も僕を赦してはくれないし、
赦してもらおうとも思いません
ただ僕以外の、その人生を十全たる幸福に彩られていることが約束されている人に対して、
自分のようになってはいけないと、ただそのことを申し上げたいのです。
それだけが僕の望みです。
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