夕立ち/
瀬崎 虎彦
甘い息を吐いてあなたがわらう
雨をつれてくる雲が
窓ガラスからはみ出すほど
声と恋に似た響きで
名前の知らない鳥が
海のほうから逃げるように
今までが嘘だったとは
言いたくないのだけれど
もうこれで終りにしようと
そのたびに逃げ帰る恋愛を
甘い息を吐いてあなたが口にする
戻る
編
削
Point
(1)