夕立ち/瀬崎 虎彦
 
甘い息を吐いてあなたがわらう

雨をつれてくる雲が
窓ガラスからはみ出すほど

声と恋に似た響きで
名前の知らない鳥が
海のほうから逃げるように

今までが嘘だったとは
言いたくないのだけれど
もうこれで終りにしようと
そのたびに逃げ帰る恋愛を

甘い息を吐いてあなたが口にする
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