歳月記/モコ
 

どんな理由でさえ
賤吏に甘んずるを
潔よしとしなかった
勝手な空想ながらも
何故自分ではないのかと
何度も首をかしげた
全てを知ったあの日
一瞬虎にもなった



今だって相変わらず
心のどこかにある
賤吏ではない
他の誰かを見る度に
心臓を握られたかの如く
強く強く締め付けられる
でもそれは逆からして
まだ諦めていない印となる



その感覚が
魂の中に宿り続ける限り
諦めると言う有効期限は
朽ち果てることない
たとえそれが偽りであっても





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