面接(11)/虹村 凌
それらの光が、薄く、影を払いのけていた。
この部屋は、元々は俺だけの部屋だった。そこに彼女が移り住む事になったのだ。俺は、慣れた薄暗い部屋の真ん中に座り、セブンスターに火をつけた。
俺が言っていた事は、よくわかっている。今の俺にとっては、あまり有り難い事じゃない。そろそろ、言わないで居る事が限界に近づいている、と言う事だ。それは俺自身の問題でもあり、その女自身の問題でもある。見えていたけれど、見ないふりをしていたその日が、近づきつつある。どうしよう、などと考える事は出来ない。俺は彼女に、言わなければならない。
暗闇を切り裂き、俺の携帯の画面が明るく光る。サイレントモードになってい
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