それは鈍く長く/ウデラコウ
君がいない朝の曇天は
なんて気分の悪いものなんだろう
このままずっと君のにおいがかすかに残るふとんにうずくまって
もう一度君があのドアを開けるまで目覚めずにいたいのに
非情にもアラームは鳴り響き
ゆとりの後輩たちは ここぞとばかりに追い打ちをかける
君と一緒にいるときはどんな時間でも瞬く間に過ぎるのに
今日は時計の針も人も空も空気さえも
全てが鈍く 長く 緩慢に 流れて
これなら時の流れさえ掴んでしまいそうで
さっきから時計の針は一周すらしてないのに
お菓子の袋はどんどん積み重なって 仕事は一向に進まなくて
修正テープでも消しゴムでもなんでもいいから
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