不朽の私/百瀬朝子
 
は朽ちていかないのだ

もう充分に咲いた
わたしは花になりたい
咲き誇ったらあとは
朽ちてゆくだけの
花になりたい

 その裏、
  の裏、
――――の裏、

たとえ燃え尽きたとしても
この体は朽ちていかない
わたしを生かしつづける
わたしはそれに甘えている
朽ちていかないのを知っているわたしは
期待してる
また輝けること
もう一度咲き誇ること
朽ちていかないのは光をつかむ可能性
信じて期待してる
不朽の私がいるかぎり
前へ進むことを躊躇ったりしても
あきらめたわけじゃないんだから

    、
    、
――――  、

くるしさから逃れたくて
手っ取り早く
ここで朽ちてしまいたい
願っても馳せても
不朽の私
あの赤い花のように
わたしは朽ちていかないのだ

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