海 の 地/砂木
手でつないだものが
止める鎖では無い事
そんな力のないものである事も
指の組まれた思いの前では
望み と
言い換えて遊んでいるようで
無償に笑っていることに
ひととき
つぐないなどと誰が言ったと
残りわずかな不出来を
不幸と呼ぶより
幸せと 一気に飲み干したら
ひとつでも ふたつでも 物を覚えて
望まれていると眼を開き
誘うように体にあたる風の剣に
口ずさむ歌を交えよう
明日の闘いの前
今日は対戦してくれるものに
敬意を表して
体につけられた呼び名
体を活かしている真の名
そして体にあるものと
組み込まれた模造紙の後ろから
息を吹きかける
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