海 の 地/砂木
 
手でつないだものが
止める鎖では無い事
そんな力のないものである事も
指の組まれた思いの前では
望み と

言い換えて遊んでいるようで
無償に笑っていることに
ひととき
つぐないなどと誰が言ったと

残りわずかな不出来を
不幸と呼ぶより
幸せと 一気に飲み干したら
ひとつでも ふたつでも 物を覚えて
望まれていると眼を開き

誘うように体にあたる風の剣に
口ずさむ歌を交えよう

明日の闘いの前
今日は対戦してくれるものに
敬意を表して

体につけられた呼び名
体を活かしている真の名
そして体にあるものと

組み込まれた模造紙の後ろから
息を吹きかける





戻る   Point(3)