☆165 ミズウミ/貴水 水海
 
きみは 湖みたいな子だったよ
俺は そう思ったぜ

時には
優しくて 思いやりがあって 可愛い
だれもが 覗き込んでみたくなる
釣り人は 糸をたらしたくなる
子供は 遊びたくなる
「麗湖」

時には
何を考えてるかわからない
不機嫌であつかいが難しい
見た者は 水面から目を離したくても離せない
なぜか 闇の世界にいきたくなる
「妖湖」

時には
自分で光り輝き
水面に顔を映した者の
嘘も言い訳も 見破る
「鏡湖」

俺にとっては もう きみは
思い出の ひとり
「過湖」
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