faraway/ねことら
 

ちいさな腫瘍があった
おそらく、せかいというものから隔てられた朝
ぎこちなく、触れることで
ぼくらが確認していたのは
痛みだったのだろうか




この詩は、きみの
平熱の、平坦な視座に
映りこむ世界のすべてのきらめきのために




どこかの部分が造られた朝を生きる
それは、味のない呼吸からはじまるだろう
等角に切り分けられた青空が
ひとつずつ配給される
無造作に目もあわさないで受け取るだけだ

淡いグリーンのクラッシュゼリーの海
往復を泳ぎきることは難しいので
たーん、とピストルの音がコダマすれば
ぼくらは息継ぎなしで夜の落ちる方
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