faraway/ねことら
ちいさな腫瘍があった
おそらく、せかいというものから隔てられた朝
ぎこちなく、触れることで
ぼくらが確認していたのは
痛みだったのだろうか
この詩は、きみの
平熱の、平坦な視座に
映りこむ世界のすべてのきらめきのために
どこかの部分が造られた朝を生きる
それは、味のない呼吸からはじまるだろう
等角に切り分けられた青空が
ひとつずつ配給される
無造作に目もあわさないで受け取るだけだ
淡いグリーンのクラッシュゼリーの海
往復を泳ぎきることは難しいので
たーん、とピストルの音がコダマすれば
ぼくらは息継ぎなしで夜の落ちる方
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)