絵の中に居るような。/
緋乃村燿介
もう少し
もう少し
タイヤキ屋の角を曲がって
公園の中を通り抜けて
延々と続く坂を登ってく
もう少し
もう少し
丘の上の公園から
この港町を見下ろすんだ
朱(あか)と蒼(あお)の世界を見る為に
息を整えて
ゆっくり
息を整えて
記憶を思い出にする為に
ここにちゃんと来たかったんだ
絵の中に溶けて
自分をやり直したかったから……
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