さかだち/小川 葉
 
 
 
あるひわたしは
さかだちしてることにきがついた
うまれたときからずっと
あたりまえだとおもっていた
さかだちをやめると
ちちもははもいもうとも
しらんぷりしてさっていく
しかたがないのでさかだちする
さかだちすることこそが
いきることであることを
わたしははじめてしったのだ
あるひわたしがきづくまで
さかだちばかりしていたからだ
 
 
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