教室の隅にピーターパンがいた/
亜樹
教室の隅にピーターパンがいる。
誰もそれを見ないふりをする。
寂しいピータパンはおどけて踊る。
すると漸く何人か
彼のほうを見て笑う。
教室の隅にピーターパンがいる。
もう誰もそれが見えなくなった。
寂しいピーターパンはおどけて笑う。
それでももう
振り向く者はいない。
教室の隅にピーターパンがいた。
そうしてもういないのです。
「こども」なんてこの教室の
どこを探したって
もうどこにもいないのです。
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