湯気/ここあこころ
 
浴場上がり
潤沢目尻
豊満の火照り
は、ダレのせいかしらん

まるで
森の都を彷徨するように
思案に没頭してはいたけれど
だからと言って
純に
のぼせた
事情、でもなさそうだわ

あなたは
私の許多(あまた)の
アイレン、の
溶かし込まれた水溶液に浸かり
如何なる深淵を
探究するのかしらん

 肌身から
 立ち上りつらなる湯気を
 濃やかに
 亡命させることなく
 堪能してくれるのかしらん

 隠れん坊な幼心を
 捜し出し
 まずは小心翼々と
 徐々に放胆、墜落するように
 アイヴしてくれるのかしらん

嗚呼
私はあなたのためだけに
凄艶なる
自明の
熱り(ほとぼり)を発しているみたいだわ

嗚呼
私はあなたにしか剥げない
まざまざしい
セイの
羽衣を纏っているようだわ
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