家電/山中 烏流
*ごうんごうん
彼は
何も口にすることはないままに
色々を咀嚼して
そのほとんどを
無かったことにしてしまう
勿論、その中には
わたしの使用済みだとか
出し忘れたティッシュだとか
様々
言えないようなものもある
消化の途中で
中身を見てしまおうとすると
恥ずかしいのか
消化をやめてしまうから
それが少し厄介で
面倒だったりする
*ちーん
自分に合わないものを
逐一こなごなにするのだけは
やめていただきたい
それから
一度凍結させたものを温め直したり
何でもなかったことを膨らませるのも
出来れ
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