原罪侵攻刑/
みっきゅん
牙が見えるわけでもなく
鍵爪が見えるわけでもなく
こっちを見ているわけでもない
全てはきっと私の妄想
見えないものがやたらとリアルで
見えるものすら覆い隠すほど
真っ黒によどんだ私の視界
見えないくせに敏感で
見えないくせに脅えて
ふとした瞬間の
視線
匂い
音
全部
気が狂うほどの激昂を
今日もまたひた隠す
逃げたくて
逃げたくない
今日をまた繰り返す
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