僕と、お昼を。/虹村 凌
 
誰かが言った
「我慢するんだ」
僕は叫ぶ
「我慢するよ」

アルバイトの説明会場の中に充満した
お金お金お金
生活生活生活
毎日毎日毎日
その空気に軽い吐き気を覚えながら
全てを終えて
会場の外で煙草に火をつける

誰かが言った
「我慢するんだ」
僕は叫ぶ
「我慢できない」

相変わらず子供っぽいという自覚はあるけれど
普通普通普通
未来未来未来
病気病気病気
全てを一言で片付けられると
その逆を言いたくて
黙って通り過ぎた後で呟く

誰かが言った
「我慢するんだ」
僕は叫ぶ
「我慢してるよ」

電車の中で見る人人人
駅構内や改札です
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