京都のおんな/あ。
あんさん、覚えておきなはれ
京都のおんな、みんながみんな
はんなりしてるおもたらあきません
御着物似合うおもたらあきません
夜の先斗町はえらいにぎやか
酔っ払った兄さんたちがふらふらと
あっちからこっちへと千鳥足
早足で追い抜いて三条に向かう
大橋から鴨川を見下ろすと
この時期の風物詩、川床が
まあるい灯りをぽんぽん照らし
毎夜毎夜のお祭りのごとく
人ごみに苛々としながら
電車に間に合うか時計をちらり
すんまへんとかきわけ走る
神社仏閣にさして興味がないのは
多分当たり前すぎる存在やから
歴史に関心がないのは勿体無いって
東京の人はいわはるけれど
お台場フジテレビのほうがずっと興味深い
うちは生粋京おんな
はんなりとはほど遠いやんちゃなおんな
都会に憧れる田舎のおんな
でもな、この街嫌いやないよ
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