明らかに代謝の域を超えているのだが君はどう思うのか/aidanico
 
夏が始まる。普通の出だしだと、落語で言う枕と呼ばれるところだと、夏が終わる、なんてぇひとさまはよく話を切り出すもんですが、みたいな感じで始まるんだろうけど、残念ながら始まるのは話、そして夏、さらには上がりあがって見境なくついには沸点までいってしまう気温の上昇である。つまり、夏はまだ、現時点においては始まっていない、まだ。それをゆるしているのは、僕の体の若さと、幾つかの忘れたい未来と、それから、なくなりかけた煙草ひとケースの為だ。夏っていう季節はやけにむしむしと暑くって不快指数は高いわ、その不快指数から逃れるために駆け込んだ輩を当てにした気の狂うようなセールの嵐でこき使われるわ、おまけに一時間の残業
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