アラスカ4〜物語のなかへ〜/鈴木もとこ
 
が来たりして。
「もうそろそろ列車が走って来る時刻ですよ」とコリン君。
せっかくだから、黄色の車体に赤のラインの車両を見てみようということになり、しばら
く待ってみることにした。
 遅れているのかなかなか来ない。諦めてまた車で出発した。

 途中のドライブインで紙コップの紅茶を飲みながら、展望台の看板を見る。
 遠く雲に覆われて良く見えないが、ひときわ高い山のあたりがデナリらしい。もう国立
公園の近くまで来ていた。デナリとは北米一高い山マッキンレーの現地名で「偉大なるも
の」という意味。約6000メートルもの高さのため、常に雲といくつもの厚い氷河に覆われ
ている。厳しい寒さのた
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