雨傘/夏嶋 真子
 



そこそこの底にはいつも君がいて
そこそこの底ではいつも雨
そこそこの底の君が濡れないように
そこそこの底までおおう傘をひろげる

闇にも鮮やかな黄色い傘に
金の糸で縫いつけた心星が

そこそこの底で泣いてる迷い子に
そこそこの底がどこかを教えてくれる


そこそこのここで相合傘
こそこそ話 そっと耳打ち



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