祭りの夜/kauzak
り火を目指して突進する
いつのまにか降り出した霧雨が
石畳を濡らす
かがり火のある泉の広場への道は細く
台車はその入り口で行きつ戻りつ
なかなか辿り着けない
いつしか僕らは夢中で台車を押し汗まみれになる
ようやく台車は細い道を突き抜ける
と同時に
引き絞られた矢がかがり火に向かって放たれる
かがり火が消えた瞬間
歓喜の叫びが広場を埋め尽くす
僕らも叫びながら空へ墜ちて行く
余韻を味わうまもなく潮が引くように
歓喜の渦はためらいもなく去り
僕らはつないでいた手をゆっくりと放す
安らかに眠るために
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